時々歌舞伎を見に南座や松竹座へ行くのですが、その歌舞伎俳優の海老蔵さんの奥様の麻央さんが、進行性の乳がんの治療をされているという報道がありました。
その影響か、当院にも乳がん検診のご予約の電話が多くよせられました。

電話で様々なご質問をいただきましたので、これから検査を受けようとお考えの皆様にお伝えしたいことを書いておきます。

乳がん検診には、まず「エコー検査」を受けていただきたいと思います。

日本では、乳がん予防に「マンモグラフィー」を受けるよう勧められています。
しかしながら近年、国際的にはマンモグラフィーによる検診は推奨されていません。

世界でもトップクラスの医学誌である、ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に投稿された論文では、「マンモグラフィーによる検診は乳がんの死亡率の低下に貢献してしていない」と報告されています。

「生検を伴うマンモグラフィー検診」は過剰診断をもたらし、過剰診療を招いており、「マンモグラフィーによる検診」を問題視する声が高まっているとも言われています。

ですので、乳がん検診ではまず乳腺エコー検査を受けていただき、そこで異常陰影を認めた場合に、マンモグラフィー検査を受けていただきたいと思います。

私の個人的な考えとして、癌に対する完全・完璧な予防は無理だと考えています。
癌を発症される方は、どんなに「良いといわれる生活」をしていてもいずれは癌になるのだと思っており、それは避けることの難しい運命なのだと考えております。
であれば、できるだけ早期に癌を見つけて治療を行い、一日も早く元気な生活に戻っていただきたいのです。

ピルに関してもそうです。
ピルを飲むと癌になると考えておられる方がいらっしゃるようですが、私の考えでは「飲んでも飲まなくても癌になる人はいずれなる」と思いますし、同じように服用されても「癌にならない人はならない」と思います。
ピルを飲んでる人も飲んでいない人も、症状を感じる前に定期的に検診を受けていただきたいと思います。

癌は他人事のように思っていらっしゃる方が多いですが、「4人集まればその中に必ず2人か3人は癌になっていらっしゃる、あるいはこれから癌になられる」といった感じ、これが今の日本の現状です。

早期発見、早期治療のためにも1年に1回は検診を受けていただきたいです。

がん患者様の涙はとてもつらいです。



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